SPYdrink’s diary

趣味のレベルアップ記録

【世界大戦】@

 

学生の時一番得意だった教科は何ですか?と聞かれた時に答えるのは多分歴史。何でって、暗記だから。だけど高校を卒業してはや5年間で本をたくさん読むようになったり、世界の情勢に社会人として気を遣わなくてはいけません!みたいな風潮に皆と同じく流された俺はある程度の歴史に関しての情報を手に入れたと思う。

 

おそらく学生の頃は本当に単語でしかワイマール憲法ベトナム戦争を知らなかったから面白みが湧かなかったと思うが少し知るとその意味もわからない単語が繋がりを帯びてきてひとつの物語として記憶することができる。

 

山を登っている時だった。俺は登山道整備の仕事をしていた時があり長さは2.5メートル重さは25キロもある黒くて長い筒状の物を背負いながら約1500メートルの標高差を登っていた。

もちろん季節は夏で、朝5時出発のまだ気温も上がり切っていない時間帯だとしても歩き始めて15分もすれば額には汗が滲み荷物が接触している背中の部分は背負子の形に色が濃くなっている。

 

2日に1回はこのような作業をしていたのでそんな重い荷物を持っていてもコースタイムくらいには歩けるようにもなっていた。

そしてその日登り始めてから2時間が経過した頃、休憩のために荷物を下ろし横の石を椅子に腰掛けふと地面を見るとそこにはおびただしいほどの蟻がひしめきあっていた。

 

「うわっ!!気持ち悪!」

昆虫好きの人には申し訳ないが、数にも限度というものはある。流石に俺も10匹程度の蟻の集まりなら何とも思わないが、そこにいたのは軽く500はいただろう。いやもっといたはず。

 

気持ち悪さで目を背けたくなるが反対に怖いもの見たさというか、そちらの方が何故か勝ってしまいよく観察してみた。

そしたら全てが蟻ではなく羽蟻が4割いるではないか、そしてその2種類で殺し合いをおこなっている。

 

「世紀の大戦争じゃん。」

 

おそらくこの山の中腹地中に国家として築いていたどちらかの蟻とそれを侵略してきたどちらかの蟻。

この雲一つない晴天の空の下戦火を斬る二つの種族争いは虫の世界に歴史を想わせる。

 

この戦いはどちらが勝利するのだろうか?そしてこの歴史上の出来事は今後どのように関係して動いていき、何を使って子孫たちに伝わっていくのだろうか

 

(虫の世界に書物があったとするならば、または口頭伝授なのかな?)

 

そして夕方降り時にそこを見ると跡形もなくただそこには砂の地面があるだけだった。